蛹 -サナギ-

suzumoku 蛹 -サナギ-歌詞
1.蛹 -サナギ-

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

枯れ葉の落ちる音も響きそうな 暗がりの四畳半に一人
膝を抱えながらも飛び立つ日を 思い描く蛹
まるでお湯を注いで作りあげた 安物で即席の生活
明日の予定さえも夢の中で 慌てて立てる始末

乾いた唇 ボサボサの髪 染みの取れないままのTシャツ
真っ白なスケッチブックだけが 完璧だと主張している

「もっと頑張れ」と言われるその度に 僕の傷口は酷くなるみたいだ
「何が欲しいの?」と聞かれたらすぐさま
そいつの全てを奪いたくなるだろう

例え雨が降ろうが槍が降ろうが ひび割れる事もない毎日
指をくわえながらも目覚める日を 思い描く蛹

ささくれた小指 充血した目 虫に食われたままの靴下
壁に貼付けた写真だけが 永遠だと主張している

「もう諦めろ」と言われるその度に 僕は傷口を抉りたくなるんだ
「何がしたいの?」と聞かれたらすぐさま
そいつの全てを壊したくなるだろう

爪先の側に 迫る夕闇 僅かに頷く胸の鼓動
次第に麻痺する不安だけが 生き延びろと主張している

「もっと頑張れ」と言われるその度に 僕の傷口は酷くなるみたいだ
「何が欲しいの?」と聞かれたらすぐさま
そいつの全てを奪いたくなるだろう
「もう諦めろ」と言われるその度に 僕は傷口を抉りたくなるんだ
「何がしたいの?」と聞かれたらすぐさま
そいつの全てを壊したくなるだろう

枯れ葉の落ちる音も響きそうな 暗がりの四畳半に一人
背中のミシン目に気付けないまま 眠りに就く蛹


2.平々 -ヘイヘイ-

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

晴れと曇りの間 気難しい天気
野良猫は塗炭の上 死んだ様に眠る
暇潰しのニュースは 政治家のコメディー
「やった」「やらない」の末に「記憶にございません」

なんて平和な日々だろう 煙草でも一ついかが?
オゾン層は穴だらけ 星の欠片でも落ちたのかい?

元気ないなヘイヘイ 無理もないかイェイイェイ
どうぞ気軽にヘイヘイヘイ ご静聴よろしく

不況不況、大不況 株価は右下がり
ビジネスマンの顔も コンクリに釘付け
天才も年を食えば 天に召されて逝く
不死身のロックスターも この歌の作者も

それも自然の摂理さ 緑茶でも飲んで休憩
群がる鳩を見ろよ 落ち込む暇なんか無いってさ

元気ないなヘイヘイ 無理もないかイェイイェイ
遠慮しないでヘイヘイヘイ CDもよろしく

元気ないなヘイヘイ 無理もないかイェイイェイ
こんな歌さヘイヘイヘイ

山あり谷ありの日々 世界はぐるぐる回る
それも宇宙から見たら 多分まだ捨てたもんじゃないさ

元気ないなヘイヘイ 無理もないかイェイイェイ
手を叩いて声出して 涙して笑って
元気ないなヘイヘイ 無理もないかイェイイェイ
何はともあれヘイヘイヘイ 楽しく生きましょう
元気出たか?ヘイヘイ 無理はすんなイェイイェイ
ヘイヘイ イェイイェイ アイラヴュー ご静聴有り難う


3.僕らは人間だ

作詞:suzumoku
作曲:suzumoku

瓦礫をすくう傷だらけの両手 虚空に漂うSOSの声

「何処にいる?」「心配だ...」
「くたくただ...」「もう嫌だ...」
微かな灯火が 胸の中で今 震えている

息を止めるな 繋ぐ手を離すな
その足で立つんだ 僕らは人間だ
朝の光だ 始まりの合図だ
取り戻してみせよう いつかの日常を

炊きたてを配るあかぎれの両手
頬張る子供の無邪気な笑い声

「ありがとう!」「美味しいよ!」
「平気だよ!」「楽勝だ!」
あどけない勇者が 拳を振り上げて駆けてゆく

逃げ出したいけど 夢だと信じたいけど
その目を開けるんだ 僕らは人間だ
夜の暗闇に 底なしの不安に
星が寄り添うだろう 光を携えて

「待っていろ」「諦めるな」
「大丈夫」「気を付けて」
何気ない言葉を どれ程の命が待ってるだろう

朝の光だ 始まりの合図だ
取り戻してみせよう いつかの日常を
夜の暗闇に 底なしの不安に
星が寄り添うだろう 光を携えて
涙流れて 全て奪われて
ここから生きるんだ 僕らは人間だ